在来木造住宅の断熱・耐震改修 その15

D. 桁下断熱
 桁下に新しくボードを張る事で、一面の気密層を桁下で確保する工法である。
 この工法は桁の下で一面の気密層を連続させるため、高い機密性能が期待でき、桁下を気密層とするので、間仕切り壁上部の気流止め施工は必要なくなる。また、家自体を壊す必要なく施工が可能である。小屋裏が狭い住宅は、施工場所の確保や材料を運び込むために、天井や屋根を壊して施工する必要がある。
 桁の下だけでなく上にも施工できる。この場合、合板下地材は不要となり、合板を桁に直接張りつければよい。
 壁からの気密層の連続は、外壁撤去の場合は外壁からの気密層が軒天で止まっているため、桁までの気密層をつなげるための施工が必要である。
 コストを比較的押さえた断熱性能の高い工法と言える。
 桁下断熱は外壁撤去(耐震改修)や付加断熱による断熱改修工法を選択した場合、気密層を連続させやすい。
 外壁撤去(耐震改修)や付加断熱による工法は、施工の際に軒天を壊し、耐力面材を桁に張りつける必要があるので、それを利用すれば容易に気密層を連続させることができ、桁下断熱とすることができる。
 桁下断熱はブローイングにより200mmほど吹き込む方法が効率が良く作業が容易である。吹き込む際は垂木間にブローイングが入り込まぬようにボードやシートを張るなどの注意が必要である。
 耐震改修を天井撤去、内壁撤去、外壁撤去の方法を選択した場合で桁下断熱とすると、前で述べた、外壁撤去(耐震改修)や付加断熱の場合のように、簡単に気密層を連続させるのは難しい。
 圧縮GWが桁まで届きしっかりふさがっていればよいが、圧縮GWが垂れ下がってしまった場合は。そこから気密層が途切れ、外気との通気が生じ断熱効果が低下してしまう。
 気密層を連続させるためには、野縁から桁まで合板を張り、つなぎ目をブチルテープなどで気密処理することで気密層を連続させる。

20071018-01

20071018-02

20071018-03

20071018-04