在来木造住宅の断熱・耐震改修 その16

E. 屋根断熱
 屋根断熱は、屋根の上に新しくシートを敷き気密層を作り出す工法である。既存住宅の屋根の野地板を残して撤去し、その上から新しく屋根を施工することになる。
 この工法の大きな特徴は、屋根を気密層としているので、一面の気密層を確保しやすく、高い断熱性能が期待できる。また、外からの作業なので、居住者への影響が少なくてすむ。しかし、屋根をすべて作り直すので費用は高くなる。小屋裏を室内空間として使うことも可能なので、小屋裏を利用したい人には有効な方法である。
 桁下断熱と同様で桁から気密層が始まるので、外壁を撤去する改修だと軒天を壊して桁まで気密層を連続させる必要がある。内側からの改修の場合、気密層になりうるもので桁までの気密を連続させる。
 屋根断熱は桁下断熱の時の同様で、外壁撤去(耐震改修)や付加断熱による断熱改修工法を選択した場合、気密層を連続させやすい。
 外壁撤去(耐震改修)や付加断熱による工法は、施工の際に軒天を壊し、耐力面材を桁に張りつける必要があるので、それを利用すれば容易に気密層を連続させることができ、屋根断熱とすることができる。
 耐震改修を天井撤去、内壁撤去、外壁撤去の方法を選択した場合で屋根断熱とすると、桁下断熱と同様で、外壁撤去(耐震改修)や付加断熱の場合のように、簡単に気密層を連続させるのは難しい。
 新しく屋根を施工する際に、既存屋根を桁まで残して撤去するので、それを利用して、外側から桁までの気密層を連続させるために、合板などでしっかり気密処理をする。

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