在来木造住宅の断熱・耐震改修 その4

2-2 気流止め設置で、既存の断熱材が復活する
 下図は、気流止めとして、ポリ袋に入ったグラスウールを必要な箇所に入れた状態を示している。1階床はそのまま手をつけず、基礎の外周で断熱している。床下は室内と同じ暖房空間としてとらえ、積極的にがらり等で床下と室内を連続させることも必要になる。この場合は、1階間仕切り壁下部には気流止めを施工する必要はない。実際にこの施工は困難を伴う。壁と天井の取り合い部は、壁材を打ち付ける下地として、貫材が入っており、壁材を止めている釘が貫通して壁内に先端がはみ出していることが多い。そのためにこの部分にグラスウールを詰め込むことは、施工上とても困難である。木材などでふさぐことも考えられるが、間柱が通っており細かな作業を狭いところで行うのもなかなか難しい。1階外壁下部は、根太、間柱、柱、土台が錯綜しており、やはり同様難しい。
 しかし、この施工が実現したとすると。既存の50〜100mmの断熱材は、本来の性能を取り戻し、これまでの住宅の性能とは一変する。現在の高断熱住宅の外壁に比べると半分程度の性能であるが、基礎断熱と天井断熱で補えば、駆体の断熱つぃては70%ぐらいの性能を実現できる。
 またこの図では、住宅の隙間を防ぐ、気密層の考え方も示している。既存の外壁(防水シートと一体で隙間はほとんど無い)、基礎、天井の石膏ボード(クロス貼りなら殆ど隙間はない)を気密そうとして設定し、そのつなぎ目で切れている部分を、気流止め部材がつないでいる形である。


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つづく