オーストリア・スイスパッシブハウス木造建築研修_その22_建築家佐々木さんのメモ
2010/06/08 カテゴリー:YOSHIレポート
2010年3月21日〜3月28日 8日間の研修だった。
最終日は、チューリッヒからミュンヘン空港へ行き成田に向かった。
この間、いつも観光らしい観光は無く、唯一見たのはシャガールの教会の中のステンドグラスだった。
資料は、膨大な量になり写真もまだまだあるが、ここでひとまず終わりにします。
チューリッヒ在住の建築家佐々木さん(秋田県出身・海外生活18年)の話を一部メモです。
20年ここで、建築事務所をやっていて、ここ5年景気がいい。
リーマンショック以降さらに景気がいいそうです。
不動さん、ロシア人と中国人の投資が多く、チューリッヒの町はバブルである。
裕福な人は、銀行は信用にならないと考える人も多く、100年価格が落ちない所はどこかというとチューリッヒとなる。安い家は外国人は替えないが、ある程度高額の家は購入することが出来る。少しいいアパートメントは、2億、3億する。
問題になっていることがある。今は、何処の業者も仕事がありすぎるため、東ヨーロッパの職人が入ってきているので、5年前のクオリティーの家を作ることが出来ない。その結果裁判が多くなっている。
建築仕様書は、プライスギャランティ。
ギャランティ=アメリカンスタンダード
投資と価値観+ギャランティー
ミニエネルギースタンダードが、誰がどう証明するのか。ミニエネルギーというのが、役所仕事になっている。+エネルギーハウスも、出てきている。
殆どの建築事務所は、弁護士を抱えないとやっていけないような状態である。作ることの楽しさより、いかに訴えられないようにするために気を遣う。いかに、オープンな計画書を書けるかが大切になっている。以前は、そんなことはなかったが今はアメリカ的になってきて裁判になることがおおい。(投資物件のため裁判が多い)
コーディネートが大切。統一されたコーディネートがないと、法律の抜け道があり、トラブルがある。
キュービックで値段を出す。
1メートル
1キュービック 立法 4万円
3億、4億する家は、ミニエネルギーのドキュメーテンションがあれば、買った家は、ほぼ同じまたは、少し綺麗であれば10%UPする。
ワーキングプアも沢山いる。が、日本の財閥の子息も住んでいる。
ワンルーム8万円〜10万円以下を探すのは、難しい。
スーパーのレジでフルタイムに働くと給料38万手取りくらいになる。日本より多いように思えるが、、、
健康保険は、義務
老後保険
事故したときの保険
失業保険
15%?20%
全体の一年間1回に、確定申告の時に15%位
トータルで30%位
自分で商売していると38%引かれる。
アパート賃を引くと殆ど無くなってしまう。。。
これが、現実。
税金を払うのが大変。
額面は高いのですが、ここで長く生活すると結局は沢山入ってくるが、沢山出ていく。
ヨーロッパの仕上げは、結構雑である。仕上げは、日本人ほど丁寧ではないが、合理的な考え方に基づいて仕事をしているので、大きな間違いはない。
逆に、日本は、見えないところは雑である。電気、設備関連は見えないところは、雑である。大事な部分の仕事の仕方は、日本の方がいいかげんなところがある。
ヨーロッパの職人は、工具の整備、整理、無駄なところをださない。合理的である。ものの考え方の違いがある。
ヨーロッパでは、教育制度がある。
大学へ行く人は、非常に少なく、半分以上の人は、非常に安い給料で働きながら、週2回学校へ行ける実習制度がある会社に勤める。実習制度を行っている会社は、国から補助金がでるなど、人材育成するための制度があるので、そこのスペシャリストになる。しかし、問題もある。そのスペシャリストしかなれないので、新しいモノへの対応ができない。
オーストリア・スイスパッシブハウス木造建築研修1〜22までUPしましたが、今回で終わりです。新しい企画のために、これからフィンランド・スエーデンへ・デンマークへ向かいます。また時間があるときにUPします。